虚言癖、嘘つきは病気か Dr.林のこころと脳の相談室特別編 (impress QuickBooks)
内容紹介
<まえがきより>
本書は、虚言者、または虚言者かもしれないケースの実例集である。だが彼らを非難する本ではない。そういう意図は一切ない。
嘘はいけない。嘘は悪。それが人間社会の普遍ともいえる道徳律だ。嘘つきは泥棒の始まりという言葉もある。それでも本書は、嘘つきを非難しない。記載はする。分析もする。だが非難はしない。
(略)
虚言についての医学的研究は驚くほど少ない。虚言は精神医学の死角にある。
もとより、精神の病とは病気か病気でないかの境界が曖昧なものだ。境界は揺れる。時代によって。文化によって。社会によって。個人の考えによって。そして、時代も文化も社会も、個人の考えの集合から成り立っている。だから、一人ひとりのお考えが何より大切である。虚言癖、嘘つきは病気か。それは本書の44のケースを通して、読者の一人ひとりにお考えいただく問いである。
<目次>
●1章 虚言者たち(Case1~24)
美容整形を繰り返し、演技ばかりの私・同僚が嘘ばかりついて周りに心配して貰おうとします・自分の嘘を本当だと思ってしまう・彼が自分の記憶を書き換えます・森口尚史氏「iPS心筋を移植 初の臨床応用」・佐村河内守氏「全聾の天才作曲家」・野々村竜太郎氏「政務費で1年に195回出張、記者会見で号泣」、など
●2章 ノルウェイの森の虚言者(Case25~26)
●3章 虚言の精神医学(Case27~43)
嘘を繰り返し、刑務所にも3回入った父・お金を盗む、嘘をつき続ける、小学校6年男子・ミュンヒハウゼン症候群・兄からの性的虐待の夢。いろいろな記憶が曖昧。現実感がない。・どれが本当か嘘か自分でも分からない、など
●4章 虚言者?たち(Case42~44)
南アフリカの手話通訳者、金メダリストA氏の性犯罪、小保方晴子氏
<著者紹介>
林 公一(はやし きみかず)
精神科医。医学博士。ウェブサイト「Dr.林のこころと脳の相談室」を1997年に開設。月のアクセス数が150万を超えるこのサイトのメインコンテンツである「精神科Q&A」は、インターネットの読者からの受け付けた質問に、林医師が事実を回答するもの。なお、サイトがクリニックの宣伝の要素を持つことを避けるため、実際の診療場所などは一切公開していない。